粉瘤とは


粉瘤の概要

粉瘤は表皮嚢腫と呼ばれる事もあります。多くは、皮膚の良性腫瘍の1つです。
脂肪の塊やニキビなどと思われがちですが、まったくの別物です。これは表皮にできた袋のような腫瘍です。皮膚の表面に黒っぽくて小さな穴が空いている事が多く、強く押すと中から白い内容物が出てきます。
皮膚は表皮、真皮、皮下脂肪の3層にて形成されています。表皮は細胞分裂を繰り返して角質層となり、最後には垢となって剥がれ落ちます。
粉瘤の場合は、この袋の中に垢が溜まってしまいます。 表皮によってできた袋の為、体中どこにでもできる可能性があります。稀に多発する人もいます。
炎症や感染を起こすと感染性粉瘤や、炎症性粉瘤と呼ばれます。



発症の原因

皮膚の奥で、毛穴の一部分の組織が袋状に変形した物が多いです。この場合、皮膚の表面に開口部の穴ができる事が多くあります。
また、知らないうちにしこりが出来て、短期間の内に大きくなってくるケースもあります。
怪我などの接触が要因で、表皮の細胞が皮膚の中に入り込み、皮膚の中に袋を作る事もあります。この場合は皮膚の表面に開口部の穴が無い事が多いです。
先天性の体質により、多発する事もあります。 耳たぶや脇の下、臀部などに体中にでき、少しずつ大きくなる事で発見されます。



粉瘤の症状

多くは皮膚の良性腫瘍と思われます。しかし、そのまま放置しても自然に消える事はありません。時間の経過とともに、少しずつ大きくなり、また、急に大きくなる事もあります。いわゆるニキビとは組成がまったく違います。
皮膚の表面に小さな穴があり、その瘤の周りを圧迫すると、白い内容物が出てきます。その内容物の大半は膿です。また、進行により圧迫しても何も出ないケースもあります。
瘤が小さい内は皮膚が盛り上がらず、触ると皮下にしこりを感じる程度です。これが大きくなるにつれて、皮膚の表面が徐々に隆起してきます。 一般的にはかゆみや痛みを感じる事はありません。表面の色は皮膚の同じ色ですが、開口部の穴の周囲がやや黒く見える事があります。
また、感染症などの炎症により赤くなり、腫れて痛みを感じる事もあります。 発見時期にもよりますが、一般的な大きさは直径数10mm〜20mm程度の物が多いです。ただし、時間の経過とともに少しずつ大きくなり、拳大になってしまったケースもあります。



粉瘤を放置した場合

極まれですが、粉瘤は放置しておくだけで治るケースもあります。自然と内部の粉瘤袋の垢や老廃物が取れて、粉瘤袋も取れて体外に排出してしまったら治ります。
しかし、その確率はとても低い様です。自己治療で粉瘤が治ったと言ってる方の大半は、内部の膿や老廃物を排出した事で、一時的に治ったかの様に見えているだけです。根本的な治療は、やはり摘出しかありません。



粉瘤の症状


外観

表面の色は、粉瘤のサイズによって変わります。初期の小さな物は肌色で周辺の皮膚と同色です。
これが大きくなるにつれ、黄色や黒色など様々な色に変化します。その為、他の皮膚疾患と比べて、色や見た目だけで判断ができる事が多いです。



形態

一般的には丸い形をしています。皮膚の表面上では半球形に見えますが、実際には皮膚の厚みの中に球状で存在しています。 また、皮膚の深い位置に発症した場合は、表面からは見分けが付かない事もあります。ただし触ると固いしこりを確認する事ができます。 しこりをつまんで上下に移動させると周辺の皮膚が同時に移動することから、皮膚腫瘍であると確認できます。



特徴

ごく一般的な皮膚疾患の一つです。ホクロやイボを除いた皮膚良性腫瘍の内の約80%が粉瘤と言われています。粉瘤は痛みや発赤など、目立った症状が出る事が少ない為、気付かずにそのまま病院を受診しない方も多くいると思われます。 稀に感染により、痛みや発赤、腫脹の合併性を起こし、初めて病院を受診するケースが多いのが実態です。



類似症例

【ニキビとの違い】

ニキビは毛穴に皮脂がつまる事で出来ますが、粉瘤は垢や老廃物が皮膚内部の粉瘤袋に溜まる事でできます。ニキビだと思っていたら粉瘤だったというケースも多い位です。 小さい内の粉瘤は見た目も感触もニキビと良く似ています。ただ、感染により炎症を起こした場合は赤くなり、ニキビとは別物だと理解できます。 ニキビと粉瘤の判別方法としては、色が白いかどうか。また、数週間その状態が続くかどうかも重要な判断基準となります。


【おできとの違い】

おできは、毛包周辺が細菌感染をした事が原因で炎症を起こしている状態です。おできも粉瘤と良く似ていますが、おできは皮下の脂肪組織に現れる脂肪腫という良性腫瘍です。一般的には赤くなり少しの痛みで収まりますが、悪化すると大きくぶよぶよとした状態になり、発熱を伴う事もあります。 また、おできは体質によって出来やすい人がいます。皮膚が脂症の方はなりやすい傾向にあります。 おできと粉瘤の判別方法は、病院を受診して切開により膿を出す事で分かります。おできは内容物は膿だけですが、粉瘤の場合は中に袋がある為、容易に判別する事ができます。



粉瘤の治療方法


手術の種類

【小切開摘出術】

どのサイズの粉瘤にも治療可能な方法です。また、健康保険の適応がある事や、病理検査が可能な事から一般的な施術方法と言えます。ただし、他の手術と同様に瘢痕が残ります。


【くりぬき手術】

比較的小さな初期の粉瘤治療に行われる事が多い手術です。また、健康保険の適応がある事や、病理検査ができる事、切開手術と比べて手術時間が短い事が多いです。ただし、術後に皮膚がくぼんだり、隆起したりする場合があり、ごく稀にケロイドとなる事もあります。



日数の目安

初診から、手術、術後診察まで、一般的には3回〜4回で終了します。
ただし、その経過によっては日数が増える可能性もあります。



費用

皮膚良性腫瘍摘出術であれば保険が適応されます。
3割負担の場合は、小さい粉瘤で5,000円程度、また少し大きい粉瘤で12,000円程度です。 また、術前に血液検査を行う場合は、その料金が加算されます。
術後に組織検査を希望する場合は、3,500円程度が必要となります。 上記費用に、初診料、再診料、処方薬代が必要となります。



お役立ち情報
Q.粉瘤は自分で治せるの?
A.完治させる為には手術が必要です。患部を衛生的に保つ事で、一時的に感染症が治まる事はありますが、その原因である嚢胞を摘出しなければ完治しません。










リンク集
公益社団法人 日本皮膚科学会
NAVERまとめサイト
Wikipedia
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